杉本商店の乾しいたけは、古くから椎茸が自生していた祖母山系のふもと、高千穂町周辺の山林で採れた原木露地栽培の椎茸を使用しています。
この地方は秋から春にかけて「雲海」と呼ばれる霧に包まれる山村です。ひんやりと湿気を含んだ清らかな空気、原木となるクヌギの養分と、森の精気、そして雨水の恵みだけで自然のままに育った椎茸です。豊富な広葉樹林を背景に、ヤマメの潜む美しい渓流が九州内で最も集中して残る山里、それが杉本商店の乾しいたけの産地です。
甘い樹液でカブトムシが集まることで有名なクヌギは最も美味しい椎茸が採れます。クヌギ原木の比率が最も高いのが大分県と高千穂郷でどちらも95%です。このため食べ比べると高千穂郷産か大分産が美味しいと定評があります。
当社では干ししいたけを高千穂郷の約600軒の生産者から直接集荷しています。仕入れから出荷までをデータ管理していますので、商品から生産者までを辿ることができます。杉本商店の干ししいたけは、「生産者の顔が見える」しいたけです。
当社で使用している高千穂郷産しいたけは甘い樹液のクヌギ原木を使用し、無農薬で原木露地栽培されています。
ハウス栽培とは違い、風が吹けば椎茸は曲がりますが、余分な水分を飛ばしてくれるので、うま味が濃厚で歯応えのある椎茸が育ちます。「山のアワビ」と評される昔ながらの食感は露地栽培の賜物です。また、気温が低く、少雨で霧が多い気候によって、厳しく、美味しく育ち、甘みが生まれます。
原木栽培のしいたけは全く日持ちしませんので、採取直後に生産者が熱風乾燥します。 (40~55℃で15~20時間)
その後当社工場に持ち込まれた乾しいたけに、さらに遠赤外線乾燥仕上げを施します。(240℃のセラミックパネル直下を4分20秒間かけて通過)この工程により椎茸の内部温度は80℃に達します。
60℃以上の高温で乾燥させると椎茸内部の分解酵素が活発になり、うま味成分であるグアニル酸が増えるため、さらに美味しい椎茸になるのです。
そして遠赤外線乾燥仕上げによって水分率9%以下で出荷しているので良い風味が長く持続します。(通常は12%程度)