杉本商店の乾しいたけは、古くから椎茸が自生していた祖母山系のふもと、高千穂町周辺の山林で採れた原木露地栽培の椎茸を使用しています。
この地方は秋から春にかけて「雲海」と呼ばれる霧に包まれる山村です。ひんやりと湿気を含んだ清らかな空気、原木となるクヌギの養分と、森の精気、そして雨水の恵みだけで自然のままに育った椎茸です。豊富な広葉樹林を背景に、ヤマメの潜む美しい渓流が九州内で最も集中して残る山里、それが杉本商店の乾しいたけの産地です。
高千穂郷産しいたけの産地は、高千穂町周辺の高千穂郷と呼ばれるエリアで、宮崎県(高千穂町・日之影町・五ヶ瀬町・諸塚村・椎葉村)と熊本県( 山都町・高森町~高森峠から高千穂寄り~ )にまたがる広大な地域です。この地域は、興梠(こうろぎ)さんという高千穂独特の名字の方々が暮らし、夜神楽が三十三番ある、という文化的特徴があります。
高千穂郷産しいたけは、このエリアの約600軒の生産農家から直接仕入れています。
一般のメーカーは、市場での入札によってほとんどの仕入れを行います。そのため、広い産地範囲の椎茸が一つの袋にパックされることになります。そもそも山間部と平野部では気象条件が全く異なりますので、○○県産などという大雑把な産地表示では椎茸の味・品質にばらつきが出ます。
その点、高千穂郷産しいたけは九州の山奥、高千穂郷で採れた椎茸だけをパックしていますので、一袋全部が美味しいのです。
不足する分は、大分県トレーサビリティ協議会が監査している大分県産と、宮崎県トレーサビリティ協議会が監査している宮崎県産の、生産者が明確な乾椎茸を使用して「九州産」という表記でも出荷しています。
当社工場に持ち込まれた椎茸は、産地・種類ごとに分けられ、箱詰めされます。 箱にはそれぞれ、箱番号が発行されます。バーコードの入ったラベルが貼られ、データ管理システムにより管理されます。ラベルには産地、持ち込み日、椎茸の種類が一目で分かるように記されており、各工程ごとにチェックされ、異なる産地のものが混ざったり、古いものが出荷されたりしないよう、徹底して管理されています。
また、生産者一人ひとりがデータベースに登録されており、箱番号や商品の製造日を照会すると、どの生産者がいつ持ち込んだものかトレース(追跡)できるようになっています。