九州・高千穂郷の干ししいたけ専門問屋

杉本商店

MENU

干し椎茸の一番美味しい戻し方

  • ホーム
  • 干し椎茸の一番美味しい戻し方

干し椎茸を最高のうまみと食感にする戻し方と、プロ向けアドバイス


干し椎茸の一番美味しい戻し方

1) 水洗い
冷蔵庫戻し1.jpg
干し椎茸を水でさっと洗い、ホコリを落としてください。

2) 冷水に浸す
ラップ.jpg
椎茸が完全に浸るくらいの深さの容器に椎茸を入れ冷水を注いでください。
水面に触れるようにラップをかけて、椎茸が水面から浮かないようにします。

3) 冷蔵庫でゆっくりひと晩水戻し
冷蔵庫戻し3.jpg
グアニル酸のうまみを増すためには、10℃以下で5~24時間かけてゆっくりと水戻しする必要があります。

4) 十分戻っているか確認
冷蔵庫戻し4.jpg
しいたけは軸が一番硬いので、軸の根元を触ってみて十分に戻っているか確認してください。

5) 美味しく早く戻すには
カンタン煮物1.jpg
戻し時間を短くするには、水戻しを始めてから1時間後に椎茸を取り出し、軸を切り落としてさらに1時間以上、傘の中心が柔らかくなるまで浸します。こうすると傘の中央の切断面から水分を吸収するので、短時間でふっくらと戻ります。適当な大きさに傘をカットするとさらに早く戻ります。

戻し汁は「だし」となり、様々な料理の風味やうまみを向上させるために使用することができます。是非この椎茸だしを使っていつものお料理をもっと美味しくしてみてください。


食のプロへのアドバイス

おがくず使って室内で栽培される生椎茸や中国の干し椎茸とは異なり、私たちの干し椎茸は甘い樹液を出すクヌギの原木で森林の中で育てられています。クヌギの比率が最も高いのが大分県と高千穂郷で共に95%以上です。大分宮崎熊本の3県で全国の約7割の干し椎茸を生産していて、その中央にあるのが高千穂郷です。
私たちの椎茸は、自然の雨、霧、雪の水分で、風に吹かれて低い気温でゆっくり育ちます。

この栽培方法は椎茸だしがとても美味しくなるので、中国産の椎茸のように最初の戻し汁を捨てたり、戻った椎茸を絞ったり、片栗粉でもみ洗いする必要はありません。お湯ではなく低い温度で戻した方が最も美味しくなります。

干し椎茸特有のうまみグアニル酸を減らしてしまう酵素は10~40℃の温度で活性化します。
このため干し椎茸を10℃以下の低温の水に浸して冷蔵庫でひと晩ゆっくり水戻しするとグアニル酸の量が最大になります。
水戻しの温度が0℃近くになると、うまみが最大になり甘味が出てきます。

早く水戻ししたい時は、水戻しの途中で軸を切り落としたり、椎茸の傘を適当な大きさに切ったりすると、切断面から吸水するので早くふっくら戻ります。

冷水でゆっくり水戻しした後、加熱するとさらにうまみが増えます。

グアニル酸を増やす酵素は、50~75℃の温度で活性化します。
最も効率的にグアニル酸を増やすには、椎茸を強火で75℃に加熱して火を止め、10分ほど放置するとよいでしょう。
強火で加熱する理由はグアニル酸を減らす温度帯10~40℃をできるだけ短い時間で通過させるためです。

加熱する前に椎茸だし(戻し汁)を濾して細かい粒子を取り除いてから火にかけると澄んだきれいな味になります。


原木栽培の干し椎茸はとても風味が強いので、料理の味を邪魔しないように、少量の隠し味として使う方法も是非お試しください。

うま味の相乗効果には、2つのタイプがあることが知られています。
一般的によく知られているのは1つ目のタイプです。

【グルタミン酸 × イノシン酸】
(全ての食材) (肉や魚)
 
【グルタミン酸 × グアニル酸】
(全ての食材) (干し椎茸)
 
肉や魚を入れるとお料理が美味しくなる、という実感を私たちは持っていますが、同様に干し椎茸でお料理が美味しくなる、という実感を持っている人はまだ多くありません。しかし千年以上前に禅宗の僧侶は、干し椎茸で美味しい精進料理が作れることを発見していました。
干し椎茸は、いつものお料理をより一層美味しくしてくれます。

詳しい情報(うま味インフォメーションセンター)
https://www.umamiinfo.jp/richfood/

椎茸は精進料理同様にヴィーガン料理にも最高の天然のうま味を加えます。さらに椎茸を肉や魚と組み合わせることで、最高に美味しい料理を作ることができます。

上質な椎茸を同時にたくさん使いすぎると、うま味が強くなりすぎて苦味が出てしまうことがあります。
その場合は椎茸だしを減らして、他のだしを増やしてください。
干し椎茸特有のうま味成分であるグアニル酸は核酸系のうま味なので、濃度が高すぎると苦味として感じやすくなります。
そのため単純に薄めることで問題を解決することができます。

各種SNSでこのページをシェアする

to top