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三大うま味成分【グルタミン酸・イノシン酸・グアニル酸】とは?相乗効果で料理が美味しくなる!

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三大うま味成分をご存知ですか?料理が干し椎茸で美味しくなるのはなぜ?

うま味の相乗効果
第1のうま味はグルタミン酸全ての食材に豊富に含まれています。

第2のうま味はイノシン酸です。イノシン酸は肉や魚に多く含まれており、肉や魚が料理を美味しくすることは周知の事実です。

第3のうま味は干し椎茸のグアニル酸です。お料理のうま味を30倍に高める天然のうま味ブースターです。しかし干し椎茸の食習慣がある人はそれほど多くないので、グアニル酸の効果はまだあまり一般に知られていません。

それぞれ昆布(グルタミン酸)、鰹節(イノシン酸)、干し椎茸(グアニル酸)から発見されたので、いまだに誤解している人が多いのですが、これは和食だけでなく世界中の全ての料理が美味しくなる話です。最近の学術論文を元に解説して行きますね。

九州産本格椎茸粉がTVで紹介されました!

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うま味アップの魔法の粉。お肉にまぶして焼くと、ブロイラーが銘柄鶏に外国牛が和牛の味わいに。椎茸味はしないんです。動画10分フルバージョンはこちら

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うま味ってなに?

「うま味」は英語でも「Umami」で、味覚の一つを指す言葉です。甘み、苦み、塩味、酸味と並ぶ5つ目の味覚で、グルタミン酸やイノシン酸、グアニル酸といった物質によって引き起こされます。このうま味は、一般的に食べ物が豊かで満足感のある味を持つことを感じさせます。

うま味というのは、食べ物に我々が生きるために必要なタンパク質がたくさん含まれているサインとして人間が感じ取る味のことです。この味は、特にグルタミン酸というアミノ酸が舌にある「うま味受容体」にくっつくことで感じられるようになります。グルタミン酸は、人間の母乳にもっとも多く含まれるアミノ酸で、これにより赤ちゃんはうま味を感じ取る能力を早くから身につけていると考えられます。

うま味マップ

うま味は舌の中央、最も広い部分で感じ取る味覚で、後味として長く舌に残ります。

うま味の中心であるグルタミン酸は肉、魚、野菜など、さまざまな食品に含まれています。また、肉や魚にはイノシン酸が豊富です。しかしグアニル酸は干し椎茸などごく一部の食材にしか含まれていません。


うま味の相乗効果

A) グルタミン酸+イノシン酸= 7倍

B) グルタミン酸+イノシン酸+グアニル酸= 30倍


我々は料理に肉や魚が入っていると美味しいと感じます。これは肉や魚に豊富なイノシン酸が他の食材のグルタミン酸を相乗効果によって美味しくするからです。実はイノシン酸と同じ効果が干し椎茸のグアニル酸にあります。

グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸の3つを掛け合わせると、うま味の相乗効果は30倍になると言われています。

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舌のうま味受容体にグルタミン酸が入ると、私たちはうま味を感じます。干し椎茸のグアニル酸は、うま味の受容体の口を閉じて、うま味をより長く、より強く感じることができるようにする効果があります。グルタミン酸はさまざまな食品に豊富に含まれていますが、グアニル酸は干し椎茸など一部の食品にしか含まれていません。


うま味に関する代表的な学術論文


うま味は、人間が食品中の身近なタンパク質の指標として認識しており、その味覚は遊離アミノ酸、特にl-グルタミン酸イオンが舌のうま味受容体に結合することで誘発されます。グルタミン酸(Glu)はヒトの母乳に最も多く含まれるアミノ酸であり、赤ちゃんがうま味を感じるための下準備を早くから行っていることを示唆しています。」論文を読む

「ヒトでは、グルタミン酸とイノシン酸またはグアニル酸の間に大きな相乗効果が起こる。グルタミン酸とイノシン酸またはグルタミン酸とグアニル酸の混合物の最大味覚強度は、それぞれ7倍と30倍であった。論文を読む

「MSG(グルタミン酸)-GMP(グアニル酸)の組み合わせでは、さらに劇的な相乗効果が見られ、MSGとGMPを同量使用した場合、風味強度が30倍増加することが報告されている。これらのデータから、MSG-GMPの組み合わせは、最適な効果を発揮する場合、MSG(グルタミン酸)-IMP(イノシン酸)の約4倍の相乗効果があると考えられる。」論文を読む

「醤油にマイコプロテイン誘導体、シイタケエキス、濃縮トマトエキスのいずれかを組み合わせることで、肉のうま味を最大限に引き出すことができました。論文を読む

詳しい情報は「うま味の相乗効果に関する学術論文」をご覧ください。


天然のうま味(グルタミン酸)が豊富な食材

日米食材のグルタミン酸が多い食材ランキングです。米国食材トップのパルメザンチーズとピーナッツは文科省の測定でも似たような数値なので、日米の比較をすると日本の食材がうま味たっぷりであることがよく分かります。わかりやすくするために、加工度合いが高い食材と、重複する類似食材は削除しました。

米国のうま味たっぷり食材ベスト5よりも、日本のうま味たっぷり食材ベスト30の方がうま味たっぷり!その種類6倍以上のうま味天国日本!

これらの日本特有のうま味濃厚な魚系食材は日本の人気ラーメン店や蕎麦屋のダシにもよく加えられていて、複雑玄妙な味わいに昇華させていますね。

干し椎茸(椎茸粉)を料理に使うとうま味の相乗効果で、これらのグルタミン酸が豊富な食材がさらにうま味濃厚になります。

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グルタミン酸の多い食材日米比較

ちなみに食品成分データベースによると干し椎茸と昆布のグルタミン酸含有量は以下の通りです。
乾しいたけ/乾 3,600mg/100g
えながおにこんぶ/素干し 2300mg/100g
りしりこんぶ/素干し 1700mg/100g

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Wolframalpha

食品成分データベース


日本独特のうま味濃厚な食文化


さて日本ではどうしてこのように他国より群を抜いてうま味濃厚な食文化が発達したのでしょうか?
他国の場合、動物性油脂を中心とした料理ですが、日本料理はうま味を中心とした料理文化です。
これは飛鳥時代以降に何度も出された「肉食禁止令」が大きく関わっています。

646年に孝徳天皇が
675年に天武天皇が
801年に桓武天皇が
811年に嵯峨天皇が、
そして1685年から1709年まで「生類憐みの令」135回。

家畜を食べなかったので、大っぴらには肉を食べず、魚と野菜の旬を追及し、発酵や乾燥によりさらにうま味を引き出す技術が発達しました。


このため他国が肉や動物性油脂を中心とする食文化を発達させていったのに対して、日本では魚と野菜を中心に旬を追及する独特のうま味を重視する食文化が醸成されてきました。(参考: 「美味求真」木下謙次郎)

魚の旬を追及してきた日本の食文化

そして明治時代に国策として食生活の西洋化が推進されて、肉食が一般に普及すると、日本の料理は一気に大進化!

世界中から大人気の寿司に加えて、ラーメン、とんかつ、カレー、お好み焼き、焼き鳥や唐揚げ等の居酒屋メニューなど今日の美味しい日本食が猛烈に発達していきました。

1871年の明治天皇による肉食解禁令までの1,225年間、魚と野菜だけでうま味を追求してきた日本人の情熱で肉を調理したら、それは世界的に凄い人気になりますよね。


うま味調味料と干し椎茸(椎茸粉)の違い

うま味調味料と本格椎茸粉の違い

うま味調味料・・・工場で作られた画一的で平板なうま味を料理に均一に添加。同じ味を加えることになる。

干し椎茸(椎茸粉)・・・舌のうま味受容体に作用して、食材それぞれの個性的なうま味を強く感じさせる。美味しくて減塩になる。


うま味調味料入りの食品を知る


うま味調味料が使われていると、人工的なグアニル酸も添加されているので、干し椎茸や椎茸粉を使ってもそれ以上美味しくならないんです。

逆に言えば、椎茸粉をちょっと入れてみて美味しくなるようならその料理は無添加です。

当社ではよくケチャップやマヨネーズ、バニラアイスなどに椎茸粉を混ぜて美味しくなるデモンストレーションを行いますが、そんな時一番美味しくなる(=無添加)の製品は以下の通りです。


ケチャップ・・・カゴメの一番普通のケチャップ

マヨネーズ・・・キューピーの一番普通のマヨネーズ

バニラアイス・・・MOWかハーゲンダッツ

これらの食品に椎茸粉をちょっとだけよく混ぜて、食べ比べをしてみると良く分かります。

それぞれ椎茸味は全くしないで、ケチャップはトマト味が濃厚に、マヨネーズは卵の風味が濃厚に、バニラアイスはミルク味が濃厚になるんです。

よく混ぜて10分置くとさらにうま味濃厚になります!

椎茸粉でバニラアイスがもっと美味しくなる! (←詳しくはこちら)

ケチャップが椎茸粉で美味しくなるテスト

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グアニル酸が生まれる仕組み

グアニル酸は生椎茸には含まれてません。


生椎茸を乾燥することで細胞膜が破壊され、水戻しによって細胞核の中にあったRNAが、外の酵素と結びついて希少なグアニル酸が生まれます。

このように椎茸は、乾燥と水戻しの2ステップでグアニル酸を産み出します。生椎茸に含まれないのはこのためです。


例えば、本格椎茸粉にあらかじめ少量の水を加えて10分間水戻ししてからお料理に加えると、うま味が約3倍に強くなります(椎茸粉小さじ1に対して小さじ2の水が適量です)。

四人分のお料理に椎茸粉大さじ1が適量ですが、このように椎茸粉を事前に濡らして使うことで小さじ1で同じ効果が出ます。使用量が1/3になるのでうま味3倍と言えます。

下ごしらえで使うことで、いつものお料理がうま味濃厚になると同時に塩味も強く感じるようになるので、自然に減塩になります。椎茸粉だけではなく、戻した椎茸や、椎茸の戻し汁も他の食材のうま味を深める効果があります。

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精進料理の伝統
干し椎茸にはうま味成分が凝縮されており、精進料理には欠かせないものとなっています。精進料理のバイブル「典座教訓」には干し椎茸に関するエピソードが3回も登場します。

また干し椎茸は精進料理と同様にヴィーガン料理のうま味を高めることができます。ヴィーガン料理にしいたけを使うと、自然のうま味がさらに一層おいしくなります。
もちろん肉好きの方も、干し椎茸を使うことでさらに最高のうま味を楽しむことができます。

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グアニル酸が多い椎茸は?原木栽培と菌床栽培の比較
原木栽培の椎茸は、菌床栽培の約3倍の価格ですが、グルタミン酸は約2倍、グアニル酸は約6倍含まれています。グルタミン酸は、椎茸のうまみそのものです。グアニル酸は、他の食材のうまみを強くする働きがあります。原木栽培の干し椎茸は、ヘルシーかつサスティナブルであり、様々な料理のうま味を高めることができます。

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グアニル酸を最高に増やすコツ

干し椎茸特有のうま味グアニル酸を減らす酵素は10~40℃の温度でよく働きます。


このため干し椎茸を10℃以下の低温の水に浸して冷蔵庫でひと晩ゆっくり水戻しするとグアニル酸の量が最大になります。


水戻しの温度が0℃近くになると、うまみが最大になり甘味が出てきます。

早く水戻ししたい時は、水戻しの途中で軸を切り落としたり、椎茸の傘を適当な大きさに切ったりすると、切断面から吸水するので早くふっくら戻ります。

冷水でゆっくり脱水した後、加熱するとさらにうまみが増えます。

グアニル酸を増やす酵素は、50~75℃の温度でよく働きます。

最も効率的にグアニル酸を増やすには、椎茸を強火で75℃に加熱して火を止め、10分ほど放置するとよいでしょう。


強火で加熱する理由はグアニル酸を減らす温度帯10~40℃をできるだけ短い時間で通過させるためです。

加熱する前に椎茸だし(戻し汁)を濾して細かい粒子を取り除いてから火にかけると澄んだきれいな味になります。

上質な椎茸を同時にたくさん使いすぎると、うま味が強くなりすぎて苦味が出てしまうことがあります。
その場合は椎茸だしを減らして、他のだしを増やしてください。


干し椎茸特有のうま味成分であるグアニル酸は核酸系のうま味なので、濃度が高すぎると苦味として感じやすくなります。


そのため苦味が出たら単純に薄めることで問題を解決することができます。


詳しくはこちら↓

干し椎茸の一番美味しい戻し方

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